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2013年 06月 02日
Somewhere / Keith Jarrett Trio Re-harmonizationとCounter Melody #jazz #ジャズ
こんにちは
今日は14時からホークスの応援(TV)なのでそれまでに用事を済ませるつもりのマスター@バー・ハヤフネです。昨日、友人とお出かけした恐妻Yが銀平で食べ過ぎて胃が痛いというので私1人で大奮闘、大忙しでした。ちょっと眠いです

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さて、標記の件、スタンダーズ・トリオ最後の日本公演(大阪)へ行った話は先日報告しました
直後に発売されたのが2009年スイスのルツェルン・コンサート・ホールのライヴ録音「Somewhere」です

この作品の特徴はいろいろあって、まず2009年7月の録音ということは2003年にトリオ結成20周年を記念してリリースされた、「Up For It」 が2002年7月にフランス“ジュアン・レ・パン”で開催されたフェスティバルのライヴだったので、10年ぶりということです。10年間の音源はまったくリリースされてなかったんですね。

そして同時に、10年ですからトリオ結成30周年を記念する作品というわけですね。気合入ってるわけです。

最後は、内容についてですが、レナード・バーンスタインの楽曲が2曲選ばれていて、Deep Space (Keith Jarrett)のように20世紀の作曲家の/ピアニストの作品のようなオリジナル曲でスタートするという、ジャズなんですけどクラシックな雰囲気も楽しめるということです。ジャケットの写真が中身をよく現していて、全体的に重厚で黒と白(鍵盤?)と灰色、寒風、冷厳といった雰囲気かな。

アマゾンのレヴューを見ていると、今まで専門用語を知らなかったんですがブラッド・メルドーが多用する右手と左手で違うメロディを違うテンポで弾くという超絶テクニックの解説を含めて詳細に説明してくれている方がいらっしゃったので1.Deep Space (Keith Jarrett) / Solar (Miles Davis) のみ丸ごと以下に引用します。

「Deep Space / Solar」

CDをスタートさせると、KeithのSolo PianoによるImprovisation、“Deep Space”が始まります。不協和音の連続で雰囲気としては”Dark Intervals” (1988年) の1曲目”Opening”のような感じ。一瞬「このライブは割りとダークでフリーな演奏に終始したのだろうか?」と不安に駆られました。しかしそれは杞憂でした。「ダーク」だったのではなく、良い意味で「重厚」でした!

Tempo RubatoのままルートCを響かせてゆっくりと 「Solar」のテーマに入って行きます。非常に大胆なRe-harmonizationです。いや、これはもう「コード名で記譜されるJazzの和音」と云う縛りを遥かに超えて、Keithが常々「自宅でよく聴いている」と発言しているRavel、 Debussy、Jacques IbertやCharles Griffesのハーモニーに近いですね。 KeithのOne & Only且つ天才的な和声アイデア(とにかく美しい!)でハーモニーを付けながら一音ずつ丁寧に1コーラスを弾き切ります。次にIn Tempoになり、左手の”Solar”のテーマと右手のCounter Melodyを交錯させていきます。Brad Mehldauの得意技ですがちょっと次元が違いますね。単旋律(途中時々2声・3声になる)でのCounter Melodyが「別の1曲の美しい曲」くらいに完成度が高いです。そして左手でルートCを叩いてCm7の和音とテンポを提示するとすぐにGaryとJackが反応して入って来ます。もうゾクゾクします。

テーマに入ると更にKJTのCreativityが発揮されます。通常Pianoだけが弾くことが多いテーマ部分を、KeithとGaryがメロディーとImprovised Soloを交錯させて進行します。そして、Melodicで巧みなシンバルワークやBreakを入れてアクセントを付けたりしてPushするJackのアイデアも素晴らしい!1小節も「流す」部分がない、集中した演奏です。

そしてハイライトは、そこから始まるKeithの6分間に亘るImprovised Solo。このSoloの凄さと云ったらもう言葉に出来ません!とにかくこの日のKeithのImprovised Soloは「神懸かった」と形容してもいいほどに凄いです。所謂「降りてきている」状態ですね。恐ろしい程にCreativeで美しいフレーズ(アイデア)が怒涛の如く溢れ出て来て止まらない。Keithが普段はあまり多用しない、物凄いテクニックを駆使した超速弾き(勿論「テクニックのひけらかし」ではなくちゃんと歌っています)までもが次々に飛び出します。もうこのSoloだけで「名演」!絶好調です!

続いてGaryのSoloに入り、そのまま静かにEndingを迎えます。私は典型的なPiano Trioの進行:「Melody (Piano)」→「Piano Solo」→「Bass Solo」→「PianoとDrumsの8Bars、4Bars」→「Melody (Piano)」→「Ending」と云う「お約束」があまり好きではない(「アイデア」「Creativity」が感じられないから)ので、ここでの3人の終わり方も素晴らしく感じました。


つづきはこちらを読んで下さい、 thatmusicisepicという方です。最後の方にキースのジャズ・ピアノはリリカルじゃなくてファンキー、と書かれていますが同感です。リリカル 抒情的というのは当てはまらないと思います。一言で言うならファンキーでしょう。

第一印象は・・・まあまあです。「Up For It」 や 「The Out-of-Towners」 ほど聴きこむことになるかどうかはまだ分かりません。ただ、4のオリジナル、というか即興っぽいお得意のゴスペル調のEverywhere (Keith Jarrett) はちょっとしつこ過ぎかな?もうちょっと短い方が良いです。ちなみに処理されてる可能性はあるものの、タイミングが早過ぎる観客の拍手は録音されていません。それと体調は良さそうですが録音技術?のせいかキースの唸り声は小さ目でしょうか?残念ながらコンサートのすべてが収録されているわけではなく、たぶん半分くらいに選曲されていると思います。2枚組で全曲聴きたいですね

ご興味のある方は是非聴きに来て下さい

Somewhere / Keith Jarrett Trio

1.Deep Space (Keith Jarrett) / Solar (Miles Davis)
2.Stars Fell On Alabama (Frank Perkins)
3.Between Devil And The Deep Blue Sea (Harold Arlen / Ted Koehler)
4.Somewhere (Leonard Bernstein / Stephen Sondheim) / Everywhere (Keith Jarrett)
5.Tonight (Leonard Bernstein / Stephen Sondheim)
6.I Thought About You (Jimmy van Heusen / Johnny Mercer)

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by longrow1967 | 2013-06-02 13:27 | 日々の出来事


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